玉雄と照子は兄妹(きょうだい)で毎日仲よく連れ立って、山を越えて向うの学校に通って、帰りも仲よく一所になって帰って来ました。
或る日、二人はいつもの通り学校から手を引き合って、唱歌をうたいながら帰りがけ山道にかかりますと、真暗な空から雪がチラチラ降り出して、見ている内に道が真白になりました。
二人は唱歌を止めて急ぎましたが、雪はだんだん激しくなるばかり。しまいにはあとも先も見えず、どこが道やらわからなくなり、だんだん山深く迷い入って行きました。
そのうちに日が暮れて、寒い風がヒューヒュー吹きはじめました。二人はお腹が空(す)いた上に寒さに凍(こご)えて、
「お父さん」
「お母さん」